もう恋なんてしない

  “ピンポ~ン♪”

インターホンの呼び出し音。

誰か来た。 宅配便かな?

『僕の留守中は出ないように』って流星さんに言われてる。
だから、出るつもりなんて無かったけど、誰が来たのかをモニターで見たの。


え…?
ケンさん!?


「瑠璃さん、すみません!
流星が大事な書類を忘れたらしくて…。
取引先との重要な書類なんです。
夕方の会議に間に合わせたいので、開けて貰えますか?」


大事な書類…?
取引先との会議に必要?

それは、急いで渡さないと!


「分かりました。すぐ開けますね」

まさかケンさんが嘘を吐くなんて。
これっぽっちも思わなくて。


あの時、すぐに流星さんに連絡していれば…。

どんなに後悔しても、今更だ。

咄嗟に開けてしまったのは私だし。
流星さんの言いつけを守らなかった私が悪い。