瑠璃ちゃんとの同居生活が始まって数日が過ぎた。

携帯はあの日、新しいものに変えた。

僕が黒で瑠璃ちゃんが白。
同じ機種の色違いだ。
古い携帯には、相変わらず深夜にメールが来たけれど完全に無視を決め込んだ。


冴島優香の件は、告訴に踏み切った。
今後どうするかは、向こうの出方次第だ。

「おい、流星。
冴島優香を訴えたって本当か!?」

慌てた声でケンが言う。


「まあね。僕も静かに暮らしたいし」

「そんな事…一言も俺に相談無かっただろ!?」

「だって、ケンはまともに取り合ってくれないじゃないか。
僕もいい加減 限界なんだ。普通の生活がしたい」

「何言ってんだよ!
会社の発展の為なら多少は我慢しろよ」

「僕のプライベートで会社を発展させるなんて…。
その発想自体がおかしいじゃないか!」

「お前は経営者なんだ。
大勢の社員を抱えてるんだぞ?
会社を大きくする為に貢献して何が悪い!」

「それならケンがやればいい。
お前がトップになって、マスコミに追われればいい」

「バカ言うな!」