「朝早くにすみません。流星です」

「流星くん?? ちょっと待ってね」

大急ぎでおばさんが現れた。

「おはようございます!
こんな早い時間に申し訳ありません…」

「いえいえ、一体どうしたの?
史也なら、小山内邸から戻ってないわよ?」

「今日は史也に用事じゃないんです。
瑠璃ちゃ…いえ、瑠璃さんに会わせていただけますか?」

「瑠璃・・・?
あら、どうしよう。困ったわ・・・。
瑠璃ね、夕べ、お友達と花火を見に行って…そのまま帰らずに田舎に行っちゃったのよ」

「田舎…?」

「え…っと、私の実家なんだけど。
おばあちゃんに会いに行くって…」

「ご実家は近いんですか?」

「隣の県の…海沿いの町よ。
距離的にはさほど遠くないけど…電車とバスを乗り継いでだから、時間はかかると思うわ」

「すみませんが、住所と連絡先を教えていただけますか?」