後ろ髪を引かれる想いで、意識の無い瑠璃ちゃんから身を起こす。

シーツに残った紅い痕。
それが意味するもの・・・。


嘘だろ?
だって…許嫁が…。


必死に記憶を手繰って、史也の言葉を思い返す。


“許嫁はよそに女を作って出て行った…。
『瑠璃さんは幼すぎる』って理由で…。”


だとすれば、身体の関係はもちろん…。


何も…無かった??
もしかしたら、キスさえも…。

なんて事だ。
全く経験の無い彼女を、僕は・・・。