目が覚めると、病院だった。

特有の匂いと、点滴の管。

「ああ、瑠璃~、気が付いたのね!」

母の安心した声にホッとする。

そうは思いながらも、また心配を掛けてしまった事を申し訳なく感じる。

「無理しないで、ゆっくり休みなさい。
もう緋笙流に、未練はないでしょう?

瑠璃の年齢なら、まだ学生の人も沢山いるわ。
勉強するもよし、体を動かすもよし。
瑠璃のやりたい事を探せばいいじゃない?
慌てなくていいのよ。ゆっくりやりたい事を見つけなさい」

「うん・・・」

もう少し家の手伝いをしながら、自分の将来を考えていこうかな。