「瑠璃ちゃん・・・ごめん」

リカさんの姿が見えなくなると、いつも通りの流星さんに戻っていた。


「あの…事情がよく分からないので、説明していただけますか?」

「そうだね。 何から話そうか・・・」

「今の女性は・・・?」

「あれはリカ。 小山 里佳(こやま りか)って云うんだ。
僕の・・・小学校からの友人。

僕は中学に入るまでドイツ人学校に通ってたんだ。

リカの父親は大学の教授で、ドイツ語を専攻してた。
結婚してドイツに赴任し、リカは向こうで生まれたんだ。
小学2年の時に日本に帰って来たリカは、ドイツ人学校に編入して来た。それから仲良くなった。

今日は・・・そのドイツ人学校での友人が集まる会だったんだ。
年に一回、毎年やってる。同窓会みたいなものだよ。
最初は行く予定にしていたけど、僕はそっちより瑠璃ちゃんに会いたいって思った。
だから断ったんだ。
彼らとはまた来年会えると思ったからね。
まさか、リカが乗り込んで来るとは思わなかった・・・」