ジェフティ 約束

 ――これを食えと?
 豪快なのにも程がある。調味料はどうした、と聞きたいくらいだ。いくらどうでも塩くらいは欲しい。
 うるさい、黙ってこれでも食え、ということなのだろうと察しはついたが、もうラルフの口は止まらない。

「……やっぱり、迷ってここから出られなくなったんだな」
 ラルフはため息交じりでつぶやいた。だってどう見たって、さっきの光景はここまでたどり着けずに迷っていたとしか思えない。
「方向音痴だろ。さっき……!!」
 ラルフの言葉は途中から途切れてしまった。それどころか一瞬でラルフの足が地面から浮き上がる。ラルフの手から生焼けの肉がぽとりと落ちた。