ジェフティ 約束

 ――あのまま、死んでもよかった。誰も悲しまないから。俺にはもう、そんな人はいなくなってしまった。なぜ自分だけが、生きているのだろう。
 突然、涙が溢れて頬を伝い、手のひらにぱたりと落ちた。なぜ、今頃になって泣けてくるのだろうかと不思議な気持ちでそれを見る。しかし、あふれ出る涙は止め処なくラルフの両手にぽたぽたと落ちてきた。
 ラルフは、自分の身に起こった突然の出来事を、呆然と、しかしどうしようもなく揺るがない現実を、受け入れることができずに戸惑っていた。
 孤独と焦燥感がラルフの心を締め付ける。すがりつくものが欲しくて、自分が唯一この空間で知っているもの、傍らに静かに横たわっている長剣の丸い宝石を強く握り締めた。