「アスベリアか……、また厄介なやつをよこしたものだ」と、ノリスが戸口でつぶやいた。
まだノリスがノベリアの国王軍にいた頃、よく一緒に組んで戦場を駆け巡った男だ。ノリスは、参謀としてのアスベリアの戦場を読む才能を認めていた。軍の中でも、頭の切れる奴という評価が高く、予想通り着実に出世をして、今や参謀少将にまでなっている。
ノリスからしたら、ノベリア軍がここを嗅ぎつけるのが異常に早いと思ったが、あの男が先頭に立っているのを見たら合点がいった。してやられたとノリスは唇をかむ。
ダルクは黙って剣をノリスに突き出した。ノリスはまるで逃げるように目をそらし、奥歯をかみ締める。
「もう私は、剣を握る資格はないんだ」
ダルクはノリスの手に無理やり剣の柄を押し付けた。
まだノリスがノベリアの国王軍にいた頃、よく一緒に組んで戦場を駆け巡った男だ。ノリスは、参謀としてのアスベリアの戦場を読む才能を認めていた。軍の中でも、頭の切れる奴という評価が高く、予想通り着実に出世をして、今や参謀少将にまでなっている。
ノリスからしたら、ノベリア軍がここを嗅ぎつけるのが異常に早いと思ったが、あの男が先頭に立っているのを見たら合点がいった。してやられたとノリスは唇をかむ。
ダルクは黙って剣をノリスに突き出した。ノリスはまるで逃げるように目をそらし、奥歯をかみ締める。
「もう私は、剣を握る資格はないんだ」
ダルクはノリスの手に無理やり剣の柄を押し付けた。
