ジェフティ 約束

「君は潔いな。潔癖なほどと言ってもいいくらいだ。私には到底真似できそうにもない。ここ二・三日、ルーヤと弟たちだけでもここから連れ出す方法がないものかと、そればかりを考えてしまったよ」
 シラーグの自嘲気味の呟きが、アスベリアを攻めていた。しかし、お互いにこの状況をどうすることもできない事実は重くのしかかる。
「情けないな、目の前のか弱きものを救う力もないというのは、こうも歯がゆいものか」
 アスベリアは黙って外の様子を伺った。その時だった。ルーヤがコルゾ芋の入った籠を重そうに抱え、コドリスの兵士の横を通り過ぎようとするのが見えた。
「ああ!」
 アスベリアが思わず上げた声に、シラーグが慌てて立ち上がる。
「どうした、アスベリア」
「……ルーヤが」
 二人は固唾をのんで外の様子を食い入るように見つめた。