ジェフティ 約束

「安心おしよ。体を温めてやれば、じきに起きられるだろ。それよりお前も早くあっちで温まりな。なんだい、ぐっしょり濡れてるじゃないか」
 シモーヌが暖炉のほうを指差し促したが、ラルフはもうひとつやることがあると身を起こした。ここで付いていたい気持ちはあるが、少女の母親を助けるほうが先だ。

「まだもう一人、女の人が森で倒れているんだ。今、父さんが助けに行ってるけど、ノリスにも手伝ってもらわないと……。ノリス、今どこにいるか知ってる?」
 ラルフは診療所の入り口にかかっていたシモーヌのマントを手早く肩にかけると、外へと続く扉に手をかけた。
「そうかい、ノリスならコドロー橋の修繕に行ってるよ」
 シモーヌの言葉が終わらないうちに、ラルフはフードを目深に被りながら勢いよく外へと飛び出した。そんなラルフの背中に、シモーヌの「気をつけて行くんだよ」という声が追いかけてきた。