「婆様!この子を見てやって」
ラルフがたどり着いた家は、ダルクの母、村で唯一の薬師シモーヌが住む治療院だった。入り口に植えられた、薬草としても使える、オレンジ色の小さな実をつけるイサカルの木が、その象徴である。
勢いよく開いたドアの音に驚いたシモーヌが、煎じ薬をかき混ぜる木勺を手に持ったまま、奥の作業場から出てきた。
「どうした、ラルフ。何があったね?」
治療院の中には、詰まった鼻がすっと通りそうな香りが充満している。ラルフは一番近くにあった寝台に、抱えていた少女をそっと下ろした。
「森の中に倒れていたんだ」
ラルフが心配げに目深にかぶっていたフードを脱がせると、さらさらと月光の輝きの長い髪がこぼれ出て、寝台の上に広がった。
シモーヌがさっと歩み寄り、マントをめくって少女の頬や首筋に手を当て、眉を寄せるのが見えた。
「大丈夫なの?」
ラルフはシモーヌの曇った表情を見て不安になり、黙っていられなくて口を挟んだ。
ラルフがたどり着いた家は、ダルクの母、村で唯一の薬師シモーヌが住む治療院だった。入り口に植えられた、薬草としても使える、オレンジ色の小さな実をつけるイサカルの木が、その象徴である。
勢いよく開いたドアの音に驚いたシモーヌが、煎じ薬をかき混ぜる木勺を手に持ったまま、奥の作業場から出てきた。
「どうした、ラルフ。何があったね?」
治療院の中には、詰まった鼻がすっと通りそうな香りが充満している。ラルフは一番近くにあった寝台に、抱えていた少女をそっと下ろした。
「森の中に倒れていたんだ」
ラルフが心配げに目深にかぶっていたフードを脱がせると、さらさらと月光の輝きの長い髪がこぼれ出て、寝台の上に広がった。
シモーヌがさっと歩み寄り、マントをめくって少女の頬や首筋に手を当て、眉を寄せるのが見えた。
「大丈夫なの?」
ラルフはシモーヌの曇った表情を見て不安になり、黙っていられなくて口を挟んだ。
