ジェフティ 約束

 シェシルは部屋に入ると、ドアの鍵をすべてかけて、さらに椅子の背をノブの部分に引っ掛けた。自分の荷物と小脇に抱えていた大きな包みを床に放り投げ、自分の剣だけを握って風呂場へと歩いていった。
 ラルフが寝台に腰を下ろし部屋を見渡していると、水の流れる音が風呂場から聞こえてきた。
 シェシルが借りた部屋は、階段を上がって左に折れたところにある最初の部屋だ。中は意外に広く、ぺらぺらの白い布団が敷いてある寝台がひとつと、机と椅子がひとつずつ置いてあった。足元に敷かれたカーペットは、擦り切れていて、ところどころ板張りの床が見えているのは、この建物が古い証拠だろう。
 朝だというのに雨戸はすべて閉じられ、部屋はうす暗い。
 ラルフは雨戸を開けようと窓へと近づいたその時、ラルフの背後からシェシルの声が聞こえてきた。
「ラルフ!さっき買った包み、持ってこい」
 命令口調にムカッとしたが、インサとの一件があるため逆らうことも口答えもできないような気がした。
 大きな包みを持っておずおずと風呂場の戸を開けたが、ラルフはそこでびっくりして包みを落としてしまった。