ジェフティ 約束

 とその時、またも腹がよじれるような音を立てた。ラルフは胃の辺りに手を置き、もうどうにも収まりきらないその音にため息を吐く。
「ごめん、シェシル……」
 ――心配だけど、俺も腹ペコなんだ。

 ラルフは手早く馬の綱を柱に結ぶと、馬の鼻を撫でてやった。朝から一日中歩かせてしまった。大分と疲れているようだ。
「この飼葉食べてゆっくりやすめよ」
 飼い葉おけを馬のほうへとずるずると移動し、新鮮なものをより分けてその中へと入れてやる。
「後でりんごかニンジンがあったら、もらってきてやるからな」
 ラルフは迷った挙句、自分の長剣を干草の中へと隠し、シェシルの荷物を担いで、インサの待つマスターブリッシュの店の裏口をくぐった。