ラルフは馬を引っ張っていき裏路地の反対に立つ納屋の戸を開ける。戸の横にかけてあったオイルランプに火を灯すと、それを掲げ持ち中をざっと見渡した。オイルの焼ける甘ったるい匂いが微かに辺りに広がる。
納屋は倉庫の役割も果たしているようだった。酒樽と穀物の袋が入り口辺りに積んである。その反対側に馬を寝かせる干草と飼い葉おけが置かれていて、納屋の中央に立っている柱に、馬をつなぐ金属の輪が取り付けてある。
ラルフは馬から荷物を外し、長剣を壁に立てかけ、シェシルの長剣の鞘も一緒に並べる。
「シェシル、無事にここまでたどり着けるかな」
もう、シェシルがあの場を切り抜けられないという心配はしていなかった。ただ、あの方向音痴が、どうも……。
思いのほか大きい街だ。ラドナスまでどうにかしてたどり着いても、この街の中で会えるのだろうか……。
納屋は倉庫の役割も果たしているようだった。酒樽と穀物の袋が入り口辺りに積んである。その反対側に馬を寝かせる干草と飼い葉おけが置かれていて、納屋の中央に立っている柱に、馬をつなぐ金属の輪が取り付けてある。
ラルフは馬から荷物を外し、長剣を壁に立てかけ、シェシルの長剣の鞘も一緒に並べる。
「シェシル、無事にここまでたどり着けるかな」
もう、シェシルがあの場を切り抜けられないという心配はしていなかった。ただ、あの方向音痴が、どうも……。
思いのほか大きい街だ。ラドナスまでどうにかしてたどり着いても、この街の中で会えるのだろうか……。
