悲鳴をあげ痛みに錯乱状態になりながら、自分の腕を拾おうとする兵士をシェシルは見下ろし、その腕を蹴り飛ばした。
「…………シェシル……」
馬の上でまだ躊躇するラルフの方を、ちらりとシェシルが見る。
その瞳は有無を言わさぬ迫力と凄みが宿り、アメジストの色に金色の炎が燃え盛っていた。シェシルの頬から滴り落ちる兵士たちの真っ赤な返り血が、ラルフの目に焼きついた。
――足手まといなんだ。
当然何もできないのに、悔しさが胸に募った。
ラルフは一度ぎゅっと目を閉じると、馬の首をシェシルとは反対の方向へと向け駆け出した。後ろを振り返ると、追いかけようとする兵士の首が、血しぶきと共に宙に飛んだところだった。
シェシルは、ラルフがいなくてもこの場を切り抜けられるのだ。それどころか、自分はただシェシルの足かせになるだけでなんの役にも立たない。
「…………シェシル……」
馬の上でまだ躊躇するラルフの方を、ちらりとシェシルが見る。
その瞳は有無を言わさぬ迫力と凄みが宿り、アメジストの色に金色の炎が燃え盛っていた。シェシルの頬から滴り落ちる兵士たちの真っ赤な返り血が、ラルフの目に焼きついた。
――足手まといなんだ。
当然何もできないのに、悔しさが胸に募った。
ラルフは一度ぎゅっと目を閉じると、馬の首をシェシルとは反対の方向へと向け駆け出した。後ろを振り返ると、追いかけようとする兵士の首が、血しぶきと共に宙に飛んだところだった。
シェシルは、ラルフがいなくてもこの場を切り抜けられるのだ。それどころか、自分はただシェシルの足かせになるだけでなんの役にも立たない。
