ジェフティ 約束

 夢も見ないような、深い深い眠りだった。一瞬で水中から上昇したような目覚め。ふっと目を開けると、周囲は薄ぼんやりと明るくなっていた。
 ピリッと刺激のある朝の冷たい空気が、周囲に漂っていた。
 隣を見たがシェシルの姿はない。またどこかへ行っているのだろうか。
 ――下手に動くと迷うくせに……。
 その時、ラルフの目の前の草むらががさがさと揺れた。
「シェシル?」
 ラルフは草むらに問いかける。しかし、そこから現れたのはもこもこした茶色い毛に覆われた、耳の長いげっ歯類の動物、フォックルだった。