それは最初から予測していたことだったが、今までシェシルには言わないでいたのだ。
「森に精通しているテルテオの民だって、この森にはあまり入らないんだよ。方向音痴のくせに、こんなところに入ってみるから、余計に迷ったりするんだ」
――どうしてこの森に入ったりしたんだよ……。
「口だけは減らない奴だな」
シェシルはラルフの言葉に怒りを感じているのだが、まずはここを出るにはラルフの助けが必要だとわかっているらしく、ぐっと抑えた声で言う。
「いやならいいんだぜ。ここからは俺だけで行くから。あんたはここで一生彷徨ってろよ。そのうち森の妖精になれるかもしれない」
「森に精通しているテルテオの民だって、この森にはあまり入らないんだよ。方向音痴のくせに、こんなところに入ってみるから、余計に迷ったりするんだ」
――どうしてこの森に入ったりしたんだよ……。
「口だけは減らない奴だな」
シェシルはラルフの言葉に怒りを感じているのだが、まずはここを出るにはラルフの助けが必要だとわかっているらしく、ぐっと抑えた声で言う。
「いやならいいんだぜ。ここからは俺だけで行くから。あんたはここで一生彷徨ってろよ。そのうち森の妖精になれるかもしれない」
