ジェフティ 約束

「いや、シェシルがいたって、状況は変わらなかったさ」
 ラルフはあまりのシェシルの落ち込んだ態度に、何か声をかけなくてはとあせってしまう。
 確かに、シェシルは強そうに見えるし、やはり剣士なのだろうとラルフは思ったが、いくらどうでもあの状況に間に合っていたからといって、村人が助かったかどうかはわからない。
 やや沈黙が流れた後、シェシルはぽそっとつぶやいた。
「……すまなかったな」
「え?」
 ラルフはびっくりしてシェシルを見たが、もうそのときにはシェシルはラルフに背を向け、自分の荷物を引き寄せていた。