「……ノベリアの国王軍が、テルテオの方へ進軍しているといううわさは耳にした。雪解けと共にベチカ山脈を抜けてコドリスへ入るつもりかと思っていたが」
シェシルはラルフにどんな顔をしていいのかわからないようで、そのまま黙ってしまう。ラルフの視線を受けないように、目を逸らして森の奥を見た。
「私が間に合っていれば……」
長い沈黙の後に、やっと口にしたその言葉は、今にも消え入りそうに小さく頼りなげだった。なぜかシェシルがそのことに対して罪悪感を感じているように、ラルフには見えた。
シェシルはラルフにどんな顔をしていいのかわからないようで、そのまま黙ってしまう。ラルフの視線を受けないように、目を逸らして森の奥を見た。
「私が間に合っていれば……」
長い沈黙の後に、やっと口にしたその言葉は、今にも消え入りそうに小さく頼りなげだった。なぜかシェシルがそのことに対して罪悪感を感じているように、ラルフには見えた。
