「……お父さんの事、許して欲しい……もし、許してくれるなら……」



「お父さんの事も、のぞみの事も、愛してるッ……お母さんは二人の事、愛してるから……」






そう言って泣くあたし達は、きっとどの家族よりも温かい。






あたし、誰の事も責めてないよ。



ただあたしの家族は、ちょっとだけ素直じゃなかっただけだよね。




本当の気持ちに気付く事は難しいけど、心の片隅には、必ずいつも、本当の気持ちはひっそりとあるハズなんだ。


それが何なのか分からず混乱したり、苛立ったり、心とは裏腹な行動を取ったりする事もあるけど、本当はちゃんと、分かってるハズなんだ……






「ずっと、あたしのお母さんとお父さんで……家族でいてね…」









それから家族会議をして、お父さんは単身赴任をする事になった。

お母さんは仕事を減らし、趣味の範囲で仕事をする事に決めた。


お父さんは単身赴任だけど、必ず土日には帰って来るって約束した。



距離は離れても、心は近付いた。



絆は強くなった。







大切なのは






心の距離……