「結夢〜、早く購買行こう」


昼休み。

あたしと結夢はお昼ご飯を買いに、購買へと足を向けた。


2年生になって階が一つ下がり、一階にある購買が近くなった。

その分時間に余裕も出来て、1年生の時よりもゆっくり教室を出た。




するとあたしの教室の前を、フランス人形が不機嫌そうな顔をしながら通った。




――美姫が何で2年の教室の前を?




「ねぇ君1年生でしょ?2年に誰か知り合いいるの?」


あたしが美姫の後ろ姿を目で追っていると、2年の男子達が美姫に声を掛けた。




美姫は歓迎会の時、かなり目立ってたからな。


今も、美姫を皆が振り返って見ている。


「ねぇねぇ番号交換しない〜?」

いかにも軽そうな男達が、こんな学校内でナンパを始めた。


美姫はそれを無視してスタスタと歩いて行く。


「ねぇちょっと待ってよ」


美姫の手首を、男は掴んだ。


あたしはそれを見た時、何でだろう……何だか凄くムカついて。

「美姫!ずっと捜してたんだよ!」

そんな事を言っていた。