もう、叶チャンの事は考えたくない。

あたしには関係ない。



あの日から、あたしは叶チャンと連絡を取っていない。

たまに学校ですれ違う事があっても、話す事も、顔を見る事もしない。


もう、ただの他人。


好きだとか、嫌いだとか、寂しいだとか……

そんな事考えちゃいけない。

考えたくない。



あたしには誠がいる。


あたしは誠を裏切らない。




でも……







「ふ、二人共何やってんの!?」

廊下に出ると、そこには二人の男が俯せで倒れていた。

「のん♪」

「のぞみチャン」

その二人の男は顔を上げる。

「ま、誠に、宮下クン?何やってんの」


ビックリさせないでよ!


あたしは呆れながら、その二人に近付く。