あれから五年経った。 相沢は櫻子を失った翌年、警視庁に帰った。 辞表を胸に何ヶ月か過ごしたが、 神戸配属を叶えてくれた元の上司に帰ってくるように説得された。 容疑者が妹、もう一人は婚約者であったことを正直に告白した。 それを知った上で慰留していると言った。 確かに、 相沢にはもう仕事しかなかった。 勉強もした。 そして階級も上がった。