彼氏の余命を知ってる彼女。



「どうして逃げるの…、ヒカル」


「…」


私の質問には答えず、口を開かないヒカル。


そしてゆっくり体ごと横を向き、ヒカルは歩き始めた。


その先には、絶壁の崖。


…何をしようとしているの?


「ヒカル…?何を…、ヒカル!!」


後数歩歩けば、崖の下に落ちてしまうというのに、ヒカルは私が叫んでも歩みを止めようとはしない。


そしてあと一歩で落ちてしまう処まで来てしまった。