彼氏の余命を知ってる彼女。



ドアを開けると、十畳以上の部屋の広さで、黒と白のモノトーンで揃った家具が置かれてあるヒカルの部屋が目の前に広がった。


いつ見ても広くて綺麗な部屋。


「やっぱり広いねー、ヒカルの部屋」


スリッパの音をたてながら、私は小走りで部屋に入る。


「素朴な部屋だって母ちゃんに言われるけどな。あ、ヒナの泊まる部屋は隣だから好きに使って」


ブレザーを脱ぎ、部屋着をクローゼットから取り出しながらヒカルは私に言った。


「…ねぇ、私、ヒカルの部屋で寝てもいい?」


「え?」