今野先生の与えてくれるこの感覚は、嫌いじゃない。 むしろ心地いい。 だからきっと大丈夫だって、思ったのに――……。 「胡桃、好きだよ」 「……」 ――“くるみ”。 その言葉の威力は、強すぎる。 「胡桃」 「……なさい……」 「え?」 「ごめんなさい」 まるで耳元で囁かれているみたいに、頭中に蘇るのは……少しだけ掠れた、甘い声。 私はやっぱり、春希のことが忘れられない。