犬と猫…ときどき、君


あれで解決できたのか?

あいつの事だから、二通目のメールは、半分冗談を込めて、俺に“気にするな”って、そう言ってくれていたんだと思う。


ホント、いいヤツすぎて困る。


解決しない問題をずっと考え続けているせいか、昼休みになっても、まだ頭痛が治まらなかった。


「城戸、寝てんのか?」

「……午前中から、具合悪かったのかも」

午後からバイトに来てくれた及川さんと、胡桃の小声の会話を、机に突っ伏しながら聞いている。


「珍しいな。何か言ってた?」

「わかんない。あんまり話せなかったから……」

「……そっか」

出来るだけ外には出さないようにしていたから、少なくとも、他のやつらには気付かれていなかったはず。


――それなのに……。


「朝から、顔色悪かったの」

何で一番気付かれたくない胡桃には、気付かれちゃうんだろうな。


「そういえば、沖縄のセミナーのホテル取れたから。ツインとシングル、一部屋ずつ」

「あー、ありがとう。ごめんね、全部お願いしちゃって」

「いや、俺が一番時間あるから。それに、胡桃に任せとくと、とんでもない所にホテル取られそうだし。もしくは、城戸とダブルの部屋とかな」

「はぁ!? それくらいはちゃんと出来るよ!」

「そう? まぁいいけど」


相変わらず仲の良さそうな二人のやり取りに小さく笑った俺は、ゆっくりと眠りに落ちていった――……。