その日の午後は思いのほか混まなくて、お手伝いを頼んだ聡君に申し訳ない程だった。
「ごめんね、聡君。もう上がってもらって大丈夫!」
「そう? じゃー、実験もあるし……お言葉に甘えようかな」
「うん! ありがとうねー」
笑いながら聡君を見送ると、私は残り少なくなったカルテに目を通し始めた。
残りのカルテは四枚。
「えぇっと、耳掃除と皮膚のカサカサと……」
それはどれも特に問題なさそうで、私と城戸で十分対処出来る。
だから私は、やる事がなくなって、隣でストックの為の薬をパチンパチンと割っているマコに声をかけた。
「マコ、他の子達と一緒に先上がっちゃっていいよー」
「マジで!? やったー! 今日これから透の家行かないといけなくてさぁ」
「そっか。だったら早く行ってあげなー」
「んー……。でも、ホントに平気?」
「うん、大丈夫だから!」
本当に大丈夫なはずだった。
でも、それがわからないから病院は怖い――……。

