「あっそ。まぁ、何でもいいけど」
「……」
「取りあえず、ホテル向かうか」
「はーい」
聡君の言葉に、ダラダラと返事をした城戸は、「貸して」と告げると、一瞬意味が分からず呆気に取られた私の手から、カバンをスッと取った。
「いいよ! 自分で持てるから!」
先を行く聡君を追う城戸の後ろを、慌てて追いかけ、自分のカバンに手を伸ばしたのに……。
「じゃーこっち持って」
手渡されたのは、城戸のビックリするくらい、小さなカバン。
しかも、物凄く軽い。
「……」
「何?」
「なに入ってんの? コレ」
「は?」
「ちっちゃすぎない?」
ホントは“ありがとう”って言いたいのに、何だかタイミングを逃してしまった私は、そんなどうでもいい言葉を口にしてしまう。
「お前、そのカバンをナメんなよ?」
「は?」
「それ、某ネコ型ロボットのポケットと同じ仕組みでな……?」
「はいはい。四次元ね。もういいよ! 早く行こ!」
「くくくっ!」
楽しそうな城戸につられて、悔しいことに、思わず私まで笑ってしまった。

