「はぁ……」
家に帰って、せっかくお風呂に入ったのに、どこかスッキリしないのは、きっと心のせい。
さっきから、何だか胸騒ぎがする。
家まで送ると言ってくれた城戸の申し出を、「疲れてタクシー拾って帰るつもりだったから、平気だよ!」と言って断ったのは、これから旅行の準備をしないといけないかもしれない城戸の為。
大した距離でもないくせにタクシーを使ったのは、そう言わないと、城戸は絶対に私を送ると言って聞かないから。
タクシーを降りて部屋に戻った私は、軽く夕食を済ませた後、気分を変えたくてお風呂に入った。
それなのに、さっきからミネラルウォーターのペットボトルを片手に、部屋の中をぐるぐる歩き回っている。
――気になっているのは、時間外に来たハナちゃんの事。
「やっぱり行こう」
だって、もしかしたら容態が急変して、また来ているかもしれない。
そう思うと、居ても立ってもいられなくなって、私服に着替えると、コートを掴んで家を出た。

