「反応なしかぁ」
「――え?」
隣に並んで、私の視線の行方を辿ったマコが、ボソッとそんな言葉を口にした。
「城戸の反応見たくて、ちょっとカマかけてみた」
「“カマ”?」
「そっ! “付き合っちゃえばぁ?”って」
「ちょっと、やめてよ」
眉間に皺を寄せた私に、反省するどころか頬を膨らませたマコは、
「城戸も、胡桃と同じような気持ちなんじゃないのー?」
なんて、何故か不機嫌そうに吐き捨ててプイッと後ろを向くと、コトノちゃんから受け取った採血後の血液を手に、検査室に消えて行った。
――城戸が私と同じ気持ち?
「……」
一瞬考え込んだけど、考えたところでどうしようもない。
「“自分の気持ちさえ、分からないんだ”って言ってんのに」
本当の人の気持ちなんて、分からない。
私は過去に、それを嫌というほど思い知らされていた。

