くだらない。
分かってたはずだろう?
俺は胡桃を傷つけて……。
何もかも分かっていて、それでもこの状態を選んだのは俺だ。
――それなのに。
「……っ」
“閉じ込めてしまいたい”
誰にも触れられないように。
誰にも見つからないように、閉じ込めてしまいたい。
そんな事を思う俺は、おかしいのかもしれない。
伸ばしてしまった手で、胡桃の少し冷たい腕を掴んで引き寄せて――……。
腕の中に抱きしめた瞬間、嬉しいはずなのに、胸が音を立てて軋んだんだ。
「ちょっと……!! 城戸……っ」
わかってるよ、胡桃。
どんなにきつく抱きしめたって、胡桃は、俺の物にはならない。
「胡桃」
小さく口にしたその愛しい名前だって……胡桃には、届かない。
俺がどんなにそれに気持ちを込めたって、もう胡桃には届かないんだ。

