犬と猫…ときどき、君



「春希……ホント、ごめんな」

部屋を出て、“別にいい”と言った俺を、わざわざドデカイ庭の先の門まで送った篠崎が、顔を顰めながら、またそのは言葉を口にした。

それはもう、本当に呆れるほど繰り返されている言葉で……。


「俺が、ちゃんと確認してたら……」

「だから“アレ”は、お前のせいじゃねぇって」

溜め息混じりに笑う俺を、真っ直ぐ見上げる篠崎。

お前の方が、よっぽど“お人好し”だろ。


「お前のお陰で、胡桃も椎名も、他のヤツらも救われんだぞ」

「……」

「感謝してる」

「でも春希は……っ!!」

「……」

「春希は全然、救われねぇだろ!?」

もうすっかり日が暮れた、閑静な住宅街に篠崎の声が響き渡る。


「声でけぇよ」

「春希っ!!」

小さく笑う俺を、まるで睨み付けるように見た篠崎が、再び声を荒げるから。


「大丈夫だよ。俺は、大丈夫」

少しだけ、本当に少しだけ、胸が苦しくなってしまった。

全ては自分が招いた事で、自分でやると決めた事。

それにグダグダ文句は言いたくないし、言うつもりもない。

それは“当然のこと”。