「胡桃、愛してる」 「……うん」 汗ばむ体を横たえながら、私を抱きしめたあなたの優しい声が、胸を伝って耳に届く。 「おやすみ」 「うん。……おやすみ」 幸せなはずの、その時間。 気付かなければ良かったんだ……こんな気持ちに。 ――でも、きっともう手遅れ。 どうしようもなく、申し訳ない気持ちでいっぱいになった、私の心。 積もり過ぎた、そんな気持ちが溢れ出て、涙になって零れ落ち、 「ごめんなさい……っ」 小さく紡がれるのは、もう眠ってしまったあなたには届く事のない、そんな言葉。