目の前の美味しい料理に手もつけられずにいた。




さっきからずっと私を睨んでいる雪子さん。




何で無言?




「明日美さん、その振袖で自分で似合ってると思ってるのかしら、趣味悪くてよ。」




この振袖は斗真からプレゼントされたものだ。




「雪子さん、趣味が悪いのは俺ですから。その振袖は俺が明日美にプレゼントしたものなんですよ。」




「あら、そうまぁいいわ。じゃ本題に入りましょうか。」




緊張する。




あ、でも、鯛のお刺身食べたいな。




じっと鯛のお刺身を見つめてしまう。




斗真がチラリと見て、食べるのは我慢しろ!と目で訴えられた。




いくら私だって、そのくらいの我慢は出来するわよ。




「斗真さん、大和にはお金返済出来たみたいね。」




3億の借金を無事に返済出来たんだ。良かった、後は株の問題だけ。




藤川様が何かを取り出し、雪子さんに見せると、雪子さんは立ち上がり私に近付いて来た。




凄い迫力、怖い。




何をされるの?