隣の人誰だろうか。スーツの上にコートしか着ていない、寒くはないのかな。




そんな彼を見ていると目が合ってしまった。




「僕の顔に何か?」




いえ、別にあ、そうだ。




「良かったら使って下さい。」




彼はものすごく驚いた顔をして笑った。




「ありがとう、いいんですか?」




はい、沢山持ってますからとポケットから出して見せた。




彼はずっと笑っている。




自分が座ってたボアのシートを広げ彼に座るように言った。




「これは、これはご親切に。有りがたく座らせもらいますね。」




笑顔が弘平そっくりで、又驚いた。




もしかして準平さんなのだろうか?




聞いてみようかな。