次の日は斗真ではなく、秘書の金山さんが迎えに来た。



「副社長は暫く出社出来ませんので、私が送迎します。」




なんで、どうしてなのか?聞きたいのに言葉が出て来ない。




斗真は何を抱えているの?今誰といるのだろうか。




多分何を聞いても、俺を信じろと言うだけだ。




信じるていいのか。



信じる事が愛ならば、私はどうすべきなんだろ。




信じる事はとても難しい。



自分の気持ちを押し殺して、相手をひたすら信じるだなんて、私には出来そうもない。




30才は大人なのに、私はあの時から成長していないみたいだ。




斗真に会えない事を、何処かでほっとしている自分がいた。



今、斗真の顔を見たら、酷い事を言ってしまったと思うから。



会わない方がいいのだ。