「いけない。
仕事に行かなくちゃ。
それに寝間着のまま…。」


涙を拭いながら立ち上がった。


忘れないと。


早時様の戯れなのよ。


愛してるの言葉も、私には要らないわ。


私は、使用人なの。


でも私は…。


私がその言葉を言ってほしいのは…。



『羽琉に知られたくない。』



ボンヤリ考えていたら、ふと、そんな気持ちになった。


前に早時様に質問された事を思い出す。


「羽琉の事、好きなのか?」


私は…。