相変わらず、鹿住くんに近づいちゃいけないという、私の思いは消えなかったけど。


でもまずは知らなきゃ始まらないと思った。


多分私は、口では否定してはいるものの、この状況を受け入れているんだよね。


最初から感じていた、鹿住くんに抱く不思議な感覚の謎が解けるんだ。


「二人の意識を重ねるよ。
元は同じ人物だからね。
この時代に生きている水菊と都を一つにする。
主導権は水菊にある。
都は水菊の中に入っていてくれればいい。」


私は小首を傾げる。


「まぁいい。
体感すれば分かるよ。」


この優しい微笑みに、やっぱり私は見覚えがある。


一瞬、金色の瞳が輝いた。


そこから先、都としての意識は無くなった。