そんな私の様子を感じてか、鹿住くんは静かに口を開いた。


「千年位前に、時間を動かしたんだよ。
都は水菊の生まれ変わった姿なんだ。
そしてここは、お前が水菊として生きていた時代だ。
思い出してもらいたい。
水菊の時の記憶を。
俺は、水菊に会うためだけに千年もの間、こんな姿で生きている。」


何とも切ない表情で私を見つめるその眼差しは、ゾクッとするほど美しく金色に揺れている。

「私はどうすればいいの?」


何も分からない事がもどかしくて無意識に、聞いていた。