その出で立ちは“鬼”と呼ぶに相応しかった。


人間に例えれば、二十歳前後の青年に見える。


妖しい金色の瞳が、じっと祠を見つめたが、不意にしゃがみこみ地面をそっと撫でた。


ここは始まりの場所であり、終りにしたい場所。


「千年か…。長かった…。
今世こそは、お前を手に入れたい。」


その美しき鬼は、そっと呟いた。