「帰りたくなったら帰れ。」


そう言ってタケルは、彼女の元へ戻って行った。


私は、一人取り残されて…。


仕方なく、既に冷たくなってしまったカフェオレに、口を付けた。


「はぁ…。
明日も学校か…。」


ため息と愚痴が、一緒に漏れる。


早時様…。


抱きしめられた温もりを、まだ私の体は忘れずにいる。


水菊が早時様に抱く感情とは違う想いが、私の中に芽生えていくのが分かった。