千年の追憶【完】

水菊と出会った時、俺は16才で早時様は15才だった。


水菊はまだ12才の少女で、両親を亡くして泣いていた。


まだ、あどけなさの残る少女。


それなのに、凛とした芯の強さを感じさせる。


そんな少女に、とても俺達は惹かれたんだ。


俺も早時様も、泣いているお前から、しばらく目を反らす事ができずにいたよ。


それからの早時様の分かり易い愛情表現も、お前は単なる優しさと受け取る位に純粋だった。


早時様の気持ちを痛いほど感じてしまった俺は、水菊への気持ちを封印する事にした。


それに、早時様から水菊を奪う勇気もなかったし、幸せにする自信もなかったんだ。