あんなに好きだった羽琉が、すぐ近くに居たんだ。


これって、すごい奇跡だよね。


それと、記憶が戻ったから感じる。


タケルと羽琉は、雰囲気がよく似てるんだ。


「都、寒くないか?」


そう。


いつもこんな風に私を気遣ってくれるの。


羽琉も。タケルも。


早時様には強がり言っちゃうけど、羽琉にはつい甘えて頼ってしまう。


…。タケルにも。


「少し寒い。」


「帰るか?」


「ううん。まだ話がしたい。
羽琉の事も聞きたい。」


タケルは分かったと言って歩き出した。