早時様もその美しいお顔に、ほんのりと笑みを浮かべた。


懐かしい表情だ。


「変かどうかは分からないが、こんな風に三人で話すのは懐かしいな…。

水菊が屋敷に来たばかりの頃は、泣いているお前を俺と羽琉でよく慰めたけどな。

あの頃の水菊は両親を亡くして、とても悲しんでいたから。

何とか笑ってほしくて、他愛のない話をしに羽琉を誘ってお前に会いに行った。

三人で居れたのも、あの頃だけか。

直に俺は、父上の代わりに仕事しなくちゃいけなくなったし…。

水菊といつも一緒にいられる羽琉が羨ましくて仕方なかったよ。」


早時様は、思い出を語るように、話し始めた。