「早時様。どこか座れる場所へ行きませんか?」


私は、早時様の腕の中からお顔を見上げて切り出した。


早時様は少し考えて、頷く。


「やはり、あの場所だな。」


池の畔。


私達は池を眺めて腰を下ろした。


なんて不思議な光景だろう。


美しい鬼と、ブレザー姿の女子高生と、私服の大学生。


三人並んで、池の畔に座っている。


「ふふっ…。何か変。」


私はつい笑ってしまった。