早時様はタケルをここへ連れて来た。


ううん…。タケルじゃないね。


早時様が連れて来たのは羽琉。


「さぁ羽琉。
正直に水菊への想いを話してもらおうか。
“場所”を変えた方がいいか?」


早時様は軽く目を瞑り、僅かに手を上下させた。


あの時の感覚。


足元がグニャリと歪んだ感じ。


周りの風景はもう、変わっていた。