今日も、あの池の畔に花を供えに行く。


水菊の骨は両親が眠る墓の隣に埋葬した。


今頃、家族仲良く再会してるはずだ。


でも、ほんの少しだけ分けてもらった。


やっぱりいつも側に居てほしかった…。


崩れずに綺麗に残っていた、水菊の小指の骨。


俺の首に皮紐でかけてある。


「早時様。」


背中越しに呼ばれたその甘ったるい声に、俺は聞き覚えがあった。


本当は顔を見るのも嫌な相手。


でも俺は振り返り、思いきり睨み付けてやる。


俺から水菊と赤子を奪った、憎いコイツを。