「この場所は知ってるよな?」


「勿論です。」


「お前が殺される前から、祠はあっただろう?」


「はい。確かにありました。」


「何が祀られていたかは知ってるか?」


「いいえ。
考えた事もなかったです。」


早時様は一つため息をついて答えた。


「鬼が封印されていたんだ。」


「鬼が…。
もしかして、それで早時様は鬼に?」


「それもある。
でも、封印を解いて鬼になる事を望んだのは俺だ。」


「あれ?待って下さい。
私、お婆ちゃんから聞きました。
この祠は鬼に殺された少女が、祀られてるって…。」